家の片づけをしていたら韓国語の文章が書かれたメモを見つけました。記録した日時から調べてみたところ、当時図書館から借りていた詩集の一編だということがわかりました。朴龍喆(박용철)の詩です。金時鐘の日本語訳とともに引用させてもらいます。
어디로
내 마음은 어디로 가야 옳으리까
쉬임없이 궂은 비는 내려오고
지나간 날 괴로움의 쓰린 기억
내게 어둔 구름되어 덮이는데。
바라지 않으리라던 새론 희망
생각지 않으리라던 그대 생각
번개같이 어둠을 깨친다마는
그대는 닿을길없이 높은 데 계시오니
아 내 마음은 어디로 가야 옳으리까。
いずこへ
私の心はいずこへ向かえばいいのですか。
じめじめと雨は休みなく降りつづき
過ぎた日のひりつく記憶
おお 黒雲となって私を覆ていきます。
願いはしまいと観念していた新しい希望
思いはすまいと打ち消していたそなたへの想い、
いなづまのように闇を裂いてはいますが
そなたはあまりにも手の及ばない高嶺におわして
ああ 私の心はいずこへ向かえばいいのでしょう……………。
この詩集は、日本による植民地支配の時代から南北分断といった時代に活躍した詩人たちの作品が多数収録されています。
訳者である金時鐘も含めて、詩人ひとりひとりの略歴からは、多くの人生が激動の時代に翻弄されたのだということがよくわかります。
なぜこの詩をメモしていたのかは思い出せないのですが、なにか思うところがあったのか当時小学生の私の字にしてはかなり丁寧に写されていました。
月並みな言葉ではありますが、今の私から見てもいい詩だなと感じます。
古いメモだったので誤記等あるかもしれません。なにかお気づきの点がございましたら遠慮なく指摘していただければと思います。